(有)かわいち国分専務取締役
川越歩(10期)
地球環境への興味
小学生の頃から環境問題に関心があり、「石油がなくなる」という本を読んで衝撃を受けたことが私の学びの原点です。ゴミ拾いをしたり、電気を大事に使おうと呼びかけたりするような子どもでした。
大学は鹿児島大学地球環境科学科に進学しました。子どもの頃から環境問題に関心があったからですが、思っていたほど面白さを感じられず、学生生活はぼんやりしたものでした。
東京で大学院にも進学しましたが、結局半年で休学してしまいました。
試行錯誤だった東京生活
その後、インテリアコーディネーターを目指して資格取得の勉強をしつつ、警備のアルバイトをして生活をつなぎました。ミサワホームに採用され、注文住宅の営業を担当。新人賞を受賞するなど順調でしたが、営業の仕事は自分には合わず、4年で退職しました。
その後、焼酎メーカーの東京支社に転職し、営業を担当。資料づくりや企画提案で成果を出しましたが、卸業に加え農業を始めた父を手伝うために鹿児島へ戻ることを決めました。
鹿児島での転機 ― 干し芋との出会い
鹿児島に帰り、大きな転機となったのは「干し芋」との出会いです。それまで鹿児島にはわざわざ芋を干して食べる習慣はありませんでしたが、妻が食べていた茨城県産の干し芋を一口食べ、その美味しさに気がつきました。自社製品として干し芋を開発し、鹿児島に広めようと決意し、実験を重ねて本当に美味しい干し芋を作れるようになりました。
ちょうど紅はるかというサツマイモの新登場も追い風となり、鹿児島の皆さんにも食べていただけるようになりました。
また、偶然出会った錦江湾で特別に作られる塩と組み合わせた「塩バナナチップス」の販売をスタートしました。営業なしですが口コミで広がり、全国的な人気商品に成長しました。今では年間8万パック以上を製造し、塩バナナチップスも会社の柱になっています。
僕が大切にしているのは「心から美味しいと思える商品を作ること」。それを食べた人が笑顔になり、誰かに紹介したくなるようなものを届けたいと思っています。根底には、子どもの頃から持っている「環境や体に優しいものを」という思いが流れています。
現役生へのメッセージ
「とにかくやってみること」です。失敗してもいいからチャレンジを続けていれば、必ず助けてくれる人や思わぬヒントが現れます。
僕の干し芋やバナナチップスづくりも、偶然と努力の積み重ねで形になったものです。選んだ道を正解にしていくことが、人生で一番大切だと思っています。

