第一で受けたサポートを、私も社会に還元したい 山口叶子(26期)

コンサルタント
山口叶子(26期)

 親族が卒業していることをきっかけに、第一へ進学しました。中高6年間、落ち着いた環境で思い切り勉学に励むことができましたし、かけがえのない友人に出会うこともできました。

 物理教師である祖父の影響で宇宙や物理の世界に興味があり、女医で宇宙飛行士の向井千秋さんへ憧れていたことから、高校2年生の時は理系クラスへ進みました。担任の川田先生から出題される相対性理論の問題に取り組むことが大変楽しく、将来は日本の宇宙開発に携わりたいと強く考えていました(宇宙飛行士になりたい、と当時は本気で考えていました)。

 夢を深く追求していくなかで、ロケットを開発するエンジニアや、人工衛星のシステムを組むプログラマーなど、宇宙開発に携わる仕事は幅広くさまざまだと知り、夢に対するエネルギーと同じくらい「自分は何者になれるのだろう」と漠然とした不安も抱えていました。

 私のこうした悩みに第一の先生方は常に寄り添ってくださり、朝晩や土曜日の受験対策勉強への指導だけでなく、第一工業大学(現:第一工科大学)で超小型衛星の開発をされている教授や、様々な書籍を紹介してくださったりしました。

 そうしたサポートを経て、技術開発の側面だけでなく宇宙開発活動を安全で確実に進めるための法律・ルールである「宇宙法」を学べる慶應義塾大学法学部への入学を目指すことにしました。3年生への進級時に急遽文系クラスに転身し、夏には総合型選抜である自己推薦で受験することになりました。夜間でも行事の合間でも先生方は変わらず親身になってサポートくださいました。

 大学進学後は、宇宙法も含めた様々な法律の知識獲得に努め、宇宙法模擬裁判の国内大会へ出場したり、さまざまな専攻分野の大学生と一緒に日本の宇宙開発の課題解決を図るシンポジウムの企画運営に取り組んだりもしました。

 中高時代の多感な時期に自分の興味関心を否定せず、探求心や行動力を大きく育ててくださった第一の環境があったからこそ、その後の自分があると強く感じています。

 現在私は、コンサルティング会社で電力・交通・ヘルスケアなど社会インフラ分野における事業企画や戦略検討プロジェクトのマネジメントをしています。関わる業界もクライアントの課題もさまざまですが、イノベーションを実現し、社会へ価値をもたらしていく取組みである点は共通しています。技術開発の側面からサポートし社会の役に立ちたいという、中高時代からずっと変わらないモチベーションが原動力です。第一の先生方がそうしてくださったように、クライアントに寄り添い課題を解決し、少しでも社会の役に立てるよう、日々仕事に取り組んでまいります。