株式会社商船三井MOL (Asia Oceania) Pte. Ltd. 事業開発担当
王 力達(19期)
第一でできた仲間と海外への意識
両親は中国・黒竜江省の出身で、私は日本で生まれて、物心ついたときからずっと鹿児島で育ちました。子供の頃はまだ周りの外国人が少なく、国分・隼人にいる中国出身の人たちはほとんどみんな知り合い、というような小さな世界でした。
自宅から近かったこともあり鹿児島第一中学校に進学し、そのまま第一高校へ進みました。
高校ではテニス部に入り、生徒会にも所属。生徒会では、文化部長として大学受験3か月前の時期に文化祭の企画を担当したことは特に貴重な経験でした。
仲間と一緒にゴールを目指すことでチームワークやリーダーシップを学べましたし、自律的にセルフマネジメントをしながら複数のことに同時並行で全力で取り組む機会を得られました。
在学中はニュージーランドでの語学研修にも参加しました。こうした経験が、のちに「海外と関わる仕事がしたい」と考える契機にもなったと思います。
現在の仕事に活きるアイデンティティ
第一高校卒業後は東京大学文科2類に進学しました。今思い返すと、受験勉強のモチベーションはどちらかというと、お世話になった、あるいは一緒に切磋琢磨した周囲の皆さんの期待に応えたいという外発的なものだったかもしれません。各教科の先生方には、個別の添削指導でも大変お世話になりました。
大学卒業後はグローバルな環境に身を置きたいという希望から海運会社に入社しました。25歳からロンドン駐在を経験し、その後国内勤務を挟んでシンガポールに赴任しています。現在は新規事業開発を担当しており、アジア各国やインドへの出張も多く、日々新しいことに取り組んでいます。
両親のルーツと国分で育った自分自身、どちらも並立しているアイデンティティです。幼い頃より傾きすぎずにバランス感覚を持って思考・行動する癖がついており、これは日々の仕事や外国人とのコミュニケーションに活きていることを感じます。国際社会で生きる自分にとっては強みの一つです。
全力で取り組むことで得られる気づき
高校時代は自由がなく、できることが限られているように思えるかもしれません。でも、その中で全力で取り組むことで得られるものはたくさんあります。勉強、部活、学校行事、語学研修、ボランティアなど、学校が用意してくれる機会は案外多いです。
うまくいく・いかないアプローチ、「自分はこれが楽しかったな」「これが自分の強みだな」という気づき、異なる価値観のぶつかり合い、等々。大学や社会に出て何でもできる環境に「解き放たれた」ときに、全力を尽くした経験の積み重ねからくる厚みが指針を与えてくれます。今の環境をフルに活用して、ぜひいろんなことに全力で挑戦してみてください。

