小北農場代表 小北剛
もの作りの魅力に気づいた学生時代
中学生の頃は、スラムダンクが流行っていたこともあり、男子バスケ部を立ち上げました。子どもの頃から、何かと新しい枠組みや仲間を作る事が好きでした。
勉強面では、負けず嫌いの性格だったこともあり、理系のトップクラスに入っていました。
高校2年からは遊びに流されることもありましたが、最後は受験に向けて必死に頑張ったと思います。
家業が畜産をしていたこともあり、学生の頃は獣医師になりたいと思っていましたが、センター試験の結果や枠の関係で獣医学科へは進めず、鹿児島大学農学部生物環境学科に進学。そこで学んだ農業土木や利水工学は興味を持つものであり、ものづくりの奥深さや面白さを知るきっかけとなりました。
大学卒業後は建設コンサルタント会社に就職しました。現場管理職として国交省関連の仕事を担当する等、3年間サラリーマンを経験した後、父の体調不良をきっかけに家業を継ぐ決意をしました。
IT×農業
25歳で実家へ戻り、水稲と畜産の経営に携わることになりました。当時はちょうどインターネットが普及し始めた頃。「これを活用すれば販路を広げられる」と感じ、アマゾンもなかった頃にHP&直販サイトを立ち上げました。SEO対策にも力を入れ、日本中へ向けて伊佐米ブランドの販売をスタートしました。
2011年の東日本大震災直後は「西日本の米」に注目度が高まり、関東圏をはじめ都市圏にも販路が拡大。リピーターの顧客様や飲食店とのつながりを大事にしながら、今では生産量の約7割を直販するまでになりました。
今では味も認められ、様々なコンテストでも入賞することもできています。
黒毛和牛を育てる畜産では、省力化のためにスマート農業を先進的に導入。牛舎にセンサーを設置し出産のタイミングをメールで通知したり、大型ドローンや機械の自動運転機能を活用したりと、新しい技術はどんどん取り入れています。様々な取り組みを実施し、少ない人数でありながら大規模の経営が可能となりました。
私は、本気で参入したい人がいれば実践してきたノウハウ等全てを伝え、若い従事者を少しでも増やしたいと思っています。かつては3K「きつい」「きたない」「きけん」といわれた農業ですが、時代とともに大きく変化しています。農業を通じて物作りの楽しさ・大事さを次世代に伝え、一次産業従事者を増やすことが私の使命だと感じています。
チャレンジ精神を持ち続けること
成長には、時に失敗の経験が大切です。失敗することでリスク回避の方法など様々なことが学べます。どんどん頑張り、チャレンジし続けてほしいと思います。一生懸命取り組んだ結果、自分が納得する達成感があれば、また別の事へチャレンジすることもあるでしょう。資金的なサポートや助成金の活用など、みんなにチャンスは平等にあると思います。ぜひ目の前のことに全力でチャレンジしてください。

